充実化が進むチーム医療

効率的かつ最善の医療サービスを提供するには、チーム医療が欠かせない。
チーム医療では医師をはじめ、看護師や薬剤師、管理栄養士といった多岐にわたる専門職が力を結集している。
それぞれの専門性を発揮することで、患者にとって必要な医療を補完し合える強みがある。
これまでもチーム医療のカタチはあったが、医療現場の働き方が問われる中、ますますチーム医療の比重が高まっている。
何よりチーム医療体制の充実は、患者側に深い安心感をもたらす。

国はチーム医療を推進するため、チーム医療推進会議を設置している。
また、日本看護協会や日本栄養士会などが加入する、チーム医療推進協議会も活発な動きを見せている。
こうした動きの背景には、急速な高齢化社会の到来がある。
医師や看護師養成が限界を迎えている中、品質の高い医療サービスを維持するため、チーム医療に注目するようになった。
ちなみに、チーム医療の先駆けとして成功を収めたのが、90年代後半から導入され始めた栄養サポートチーム(NST)だ。
NSTでは医療を栄養面から捉え、管理栄養士を中心に薬剤師や看護師、そして医師によるチームを組んでいた。
患者の栄養状態が悪ければ意図する治療効果が得られず、褥瘡や感染症などを発症しやすい。
NST体制の構築により、そうした発症リスクを大幅に低下させることができた。
NSTの成功を受けるカタチで、以降も感染対策チームや呼吸サポートチームなどが生まれている。

チーム医療において、看護師の果たす役割は大きい。
患者と接する機会が最も多く、患者の状態を良く分かっているためだ。